Japanische Klassiker mit Furigana
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さるかにかっせん
日本の神話と十大昔話
楠山 正雄
Lesen Sie 日本の神話と十大昔話 (さるかにかっせん) von 楠山 正雄 (くすやままさお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 36.605 Zeichen · 76 Bildschirme
」
と呼び立てました。
往来の人たちは、ふしぎな看板とおもしろそうな口上に釣られて、ぞろぞろ見世物小屋へ詰めかけて来て、たちまち、まんいんになってしまいました。
やがて拍子木が鳴って、幕が上がりますと、文福茶がまが、のこのこ楽屋から出て来て、お目見えのごあいさつをしました。見るとそれは思いもつかない、大きな茶がまに手足の生えた化け物でしたから、見物はみんな「あっ。」と言って目をまるくしました。
それだけでもふしぎなのに、その茶がまの化け物が両方の手に唐傘をさして扇を開いて、綱の上に両足をかけました。そして重い体を器用に調子をとりながら、綱渡りの一曲を首尾よくやってのけましたから、見物はいよいよ感心して、小屋もわれるほどのかっさいをあびせかけました。
それからは何をしても、文福茶がまが変わった芸当をやって見せるたんびに、見物は大喜びで、
「こんなおもしろい見世物は生まれてはじめて見た。」
とてんでんに言いあって、またぞろぞろ帰っていきました。それからは文福茶がまの評判は、方々にひろがって、近所の人はいうまでもなく、遠国からもわざわざわらじがけで見に来る人で毎日毎晩たいへんな大入りでしたから、わずかの間にくず屋は大金持ちになりました。