Japanische Klassiker mit Furigana
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いも
日本プロレタリア文学集・11 「文芸戦線」作家集(二)
佐左木 俊郎
Lesen Sie 日本プロレタリア文学集・11 「文芸戦線」作家集(二) (いも) von 佐左木 俊郎 (ささきとしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 26.241 Zeichen · 54 Bildschirme
黒い地帯
一
煉瓦工場からは再び黒煙が流れ出した。煤煙は昼も夜も絶え間なく部落の空を掩包んだ。そして部落中は松埃で真黒に塗潰された。わけても柳、鼠梨、欅などの樹膚は、何れとも見分けがたくなって行った。桐、南瓜、桑などの葉は、黒い天鵞絨のように、粒々のものを一面に畳んだ。
雨が降ると黒い水が流れた。何処の樹木にも黒い雀ばかりだった。太陽は毎日毎日熱っぽく煤ばんで唐辛子のような色を見せた。作物は何れもひどく威勢を殺がれた。殊にも夥しいのは桑の葉の被害だった。毎朝、黝んだ水の上を、蚕がぎくぎく蠢めきながら流れて行った。
*
「――俺家の鶏ども、白色レグホンだって、ミノルカだって、アンダラシャだって、どいつもこいつも、みんなはあ、黒鶏みてえになってるから。」
「何処の家のだって同じごった。俺家の鵞鳥を見てけれったら。何処の世界に黒い鵞鳥なんて……。俺は、見る度に、可笑しくてさ。」
「雪のように白かったけがなあ!」
「俺はな、ほんでさ、西洋鵞鳥! 西洋鵞鳥! って徇れて、一つ、売りに行って見べえかと思ってるのだけっとも。」
「儲かっかも知れねえで。