Japanische Klassiker mit Furigana
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しんたいけんさび
日本プロレタリア文学集・39 プロレタリア詩集(二)
倉橋 潤一郎
Lesen Sie 日本プロレタリア文学集・39 プロレタリア詩集(二) (しんたいけんさび) von 倉橋 潤一郎 (くらはしじゅんいちろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 873 Zeichen · 2 Bildschirme
みんな悲しげにそう思う
胡瓜つくってもいい
トマトつくってもいい
南瓜も西瓜も茄子も
高い肥料代や小作米にくわれる
二番稲をつくるより
野菜をつくって市へだすのが
なんぼいいかも知れない
山の向うの村から
はこんで来るリヤカーの群をみると
みんな悲しげにそう思う
今朝も
おっかあ達は
ここ 町の入口で
がやがやとかけひきに余念がない
家の側を流れる溝で
夜になって 月にぬれて
野菜や果物を洗ってみたい
自分で手入れて
自分でみがいて
売りにいってみたい
みんなそう思うのだが
今日も
雨にしがみつくような銃声がきこえて来る
「敵は左方 四百米」
稲田の畔の こえぐろの影で
赤と白
半々の旗がひらめいている
俺達ゃ はらはらする
「追撃」の声もろとも
泥田の畔をふみ砕いてつき進む群
「畑だったら
畑だったら、わやくそだ!」
みんな悲しげにそう思う
(『車輪』一九三六年九月号に発表 一九七九年二月野田※(「日+向」、第3水準1-85-25)子発行『倉橋潤一郎作品集』を底本)