Japanische Klassiker mit Furigana
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じょきゅう
日本プロレタリア文学集・7 細井和喜蔵集
細井 和喜蔵
Lesen Sie 日本プロレタリア文学集・7 細井和喜蔵集 (じょきゅう) von 細井 和喜蔵 (ほそいわきぞう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 16.732 Zeichen · 33 Bildschirme
そして朝になってから隙を見計って一度だけ家へ戻って来た。
三
しかし、遂に夫婦は世帯をたたまねばならぬ破目におちいった。階下の家が、移転するについて間を空け渡してくれと言った。その部屋はずっと以前には入ったので敷金が要らなかったが、新たにほかで借りるといえば間借りにまで二箇月分くらいの敷金が必要だった。けれども三度の食事にまで制限を加えている位だから到底そんな金が出来る理由がなかった。そして何時まで辛抱づよく待ってさがして見たとて通勤の仕事などねっからありそうに無い――それほど世は就職難の風が吹きすさんで居った。
――仕事が無くて遊んでいる失業者の数と逆比例に、労働時間は長いんだがなあ――彼はあやまった風に動きつつある産業機関と労働組織の矛盾を痛烈にのろった。しかし彼一人の力否十人、十五人、百人、千人の力を以てしても楔の抜けたまま空廻いしつつある巨大なフライ・ホイルを如何ともすることが出来ない。
「仕方がない、当分わかれわかれになって俺も何処かへ住み込みで行こう。」
彼は決心して妻に言った。
「でも、モルやが困るわねえ……。」
彼女は、今や全く自分達夫婦の子供のように思っている小さな動物の始末に困った。