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Japanische Klassiker mit Furigana

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じょきゅう

日本プロレタリア文学集・7 細井和喜蔵集

細井 和喜蔵

Lesen Sie 日本プロレタリア文学集・7 細井和喜蔵集 (じょきゅう) von 細井 和喜蔵 (ほそいわきぞう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 16.732 Zeichen · 33 Bildschirme

Aozora Bunko

「いやですよ、あたし。」

「だって送ってくれなきゃ困るよ。」

「あたしも困るわ、こんな度外れに遅くなってから。」

登恵子は飽くまでも拒絶しようと思ったが、結局はコックが尾行することにして無理強いに主人の威光で承知させられて了った。と、かんかんに凍た氷の街を乾風にさいなまれ乍ら、彼女は酔いどれの手を引いて行かねばならなかった。登恵子は或る用意と覚悟と観念をもって静かに睡った電車道を行くと、矢張り今頃仕舞いかけている同業の店を見ることが出来た。彼女の頭へは比較的正確な工場の勤め時間が茫っと浮かんだ。如何に楽な仕事とは言い乍ら二時三時までも夜更かしせねばならぬ女給の勤めがつくづく無理だと思われる。

その翌日の夕方、登恵子は亀甲亭の主人から思いがけない宣告を受けた。おひる過ぎに一人の女が入って来て奥で主人と暫く話し合った末、店へ出て来て帰らなかったので彼女は朋輩が一人増えたのであろうと想像していたら、それは自分を出す為めの代りであった。

「登恵ちゃん、都合によって代りの人を頼んだから何処かへ行ってくれませんか。」

彼女が顔をなおしていると、出しぬけに主人はこう言った。