Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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にほんふどうき

日本婦道記

山本 周五郎

Lesen Sie 日本婦道記 (にほんふどうき) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 10.765 Zeichen · 21 Bildschirme

Aozora Bunko

五

「冬のうちも藁でかこえば大丈夫ではあろうが、陽だまりへ移してやるがいいでしょうね」

そう云いながらも、姑はいかにも好物をたのしむように、舌の上でまろばせては唐苣を味わいつづけていた。その夜ずいぶん更けてから、松林の奥のほうでしきりに狐のなくこえがしていた。

ある夜ひと夜、嵐がすさまじく吹きあれて去った朝あけ、家のまわりは散り敷いた落葉でいっぱいになっていた、色もかたちもさまざまだし、手にとると眼もさめるような美しい葉がたくさんにあった。あまりのみごとさに、熊手を持ったまま立ちつくしていると、「早くから精がでますな」と云いながら市左衛門が近づいて来た。

五

御老母にお届け物があって、そういって市左衛門が隠居所へとおったあと、菊枝が庭さきの落葉を掻いていると、

「ちょっとここへ来てお呉れ」

と姑の呼ぶこえがした。かの女はすぐに手を洗っていった、庭を出てゆく市左衛門のうしろ姿をちらと見ながら座敷へいってみると姑は一通の封書をまえに置いて待っていた。

「この手紙を読んで頂こうと思って……」

「はい」

「いま市左衛門どのが届けて下すったのです、せがれから来た文です」