Japanische Klassiker mit Furigana
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にほんふどうき
日本婦道記
山本 周五郎
Lesen Sie 日本婦道記 (にほんふどうき) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 12.620 Zeichen · 26 Bildschirme
区別をつけぬようにと及ぶかぎり努めている筈が、もうこのように自分から裏切っている。気づかぬところではどんなことがあったろう。……
その翌日の午後、ずいぶん久方ぶりで長橋へあがった。しきりに吹雪く日で、おばあさまは切炉に火を焚きながら庭の雪景色をたのしそうに眺めていらしった。お茶を頂きながら前の日にあった左義長の賑わいのさまなどお話しして、少し気持がおちついてから昨夜のことを申上げた。おばあさまは黙って頷き頷き聞いて下すったが、申上げてしまってもなんとも仰有らず、粗朶を取って焚きよいほどに折り揃えたり茶を替えにお立ちになったりして、いつまでもなんのお言葉もなかった。私は雪を衣た桃の井戸を見まもってじっと辛抱していたけれど、とうとう堪えきれなくなって、どうしたらよいかお教え下さるようにとお願いした。「わたくしはこれまであなたにはいちども叱言は云わなかった……」おばあさまはやがてそう云って私をごらんになった。きびしい、まるで槍の穂尖とも譬えたいようなお眼だった、「けれども今日は叱言を云います。あなたは武家に育ちながらこれほどのことがわからないのですか。