Japanische Klassiker mit Furigana
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にほんせいしんしけんきゅう
日本精神史研究
和辻 哲郎
Lesen Sie 日本精神史研究 (にほんせいしんしけんきゅう) von 和辻 哲郎 (わつじてつろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 208.277 Zeichen · 415 Bildschirme
の、
春がすみ流るるなへに青柳の枝くひもちて鶯なくも (巻十、春雑)
青柳の糸の細さを春風に乱れぬ今に見せむ子もがも (同)
のごとき歌に比するとき、我々はその相違のあまりにも著しいのに驚かざるを得ぬ。ここには春の風によって静かに揺らるる柳の枝のために、「春がすみ流るる」というごとき巧妙な表出が用いられる。それによって潤いある春の大気の感触と春の風の柔らかい吹き方とが、実に鮮やかに現わされるのである。さらにまたその揺らるる枝にとまって体を逆しまにして鳴いている鶯のためには、「枝くひもちて」というごとき感嘆すべき表出が用いられる。鶯の愛らしい嘴、そのくび、その足、それらが我々には感覚的な親しさをもって感ぜられるではないか。またここには、「柳の糸」という言葉は現われてはいる。しかし青柳の糸の細さと続けられたとき、それは萌え出たばかりの柳の枝の実に適切な表現になる。そうしてこの糸の細さの今の瞬間の美しさを詠嘆するために、「春風に乱れぬ今」という言葉を使うのは、柳の芽の迅速な成長を顧慮して考えるとき、確かに鋭いつかみ方として許せる。その喜びを現わす言葉が「見せむ子もがも」