Japanische Klassiker mit Furigana
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にほんせいしんしけんきゅう
日本精神史研究
和辻 哲郎
Lesen Sie 日本精神史研究 (にほんせいしんしけんきゅう) von 和辻 哲郎 (わつじてつろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 208.277 Zeichen · 415 Bildschirme
つれづれなる里居のほどに書いたという語によっても、それが心の落ちつきと集中とをもって初めて書かれ得たのである事は明らかである。だから、そこはかとなくかきつけたという理由で直ちに春曙抄本の雑然たる体裁を是認しようとするごときは、文芸の作品の製作がいかなるものであるかを解しない人の態度と言わねばならぬ。
そこで我々は、随筆的な作品を製作しつつある一人の優れた作者を眼中に置いて、その随筆がいかに書かれるのが自然であろうかを考えてみる。『枕草紙』中に比較的まとまった長い話として存する部分、たとえば藤原行成との関係や中宮定子の描写を取ってみれば、この作者は鋭い眼と頭とによって事物を統一的に捕捉する強い力を持っている。連絡のない断片的なことをとりとめもなく感じ考えるような作者ではない。もしこの作者にして自伝的な描写に興味を持ったならば、その描写はとにかくある程度にまとまった種々の回想の系列として現われてくるであろう。またもし自然描写に興味が動くならば、そこにも四時のさまざまな情景が一つの系列として現われてくるであろう。いかに随筆であるとはいえ、連絡のない断片がつぎつぎに並べられるとは考えにくい。