Japanische Klassiker mit Furigana
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にちろく
日録
山本 周五郎
Lesen Sie 日録 (にちろく) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 5.076 Zeichen · 11 Bildschirme
なんたる同胞とともに生きていることか。「困りましたですねえ」と久邇典は言った。「しかし前の客もやっているようですがね」。さよう、よく見ると、うしろの客の足から頭をよけているところの当の客もまた、自分の前のシートの背凭れへ自分の足をのっけていたのである。いまさら、場末の映画館の豪傑を責める理由はない、と思ったしだいであった。
×月×日
雨が降っている、静かな、いかにも秋の雨らしい降りかただ。雨の降るのを見ていると、まだ自然が生きているということを思う。海水は腐り、川水は汚濁し、樹は伐られ山や岡は崩され、日本の国土は荒廃するばかりだ。ぶざいくなビルディング、団地アパートがむやみに建ち並び、道という道は(狭いのも広いのも)各種の自動車が押しあい犇めいている。まっぴるまハニーバケットが往来に臭気を撒きちらしながら威風堂々と行進し、首都の銀座でもちょっと裏へはいると塵芥の山だ。これでオリンピックをやろうというのだから、いかにわが民族が楽天的であるか明白にわかるだろう、これがわが国の文化の実体なのだ。昨日は町で赤い羽根の行事を見たが、「みなさまの僅かなお志でみんなの幸福な生活を築きましょう」