Japanische Klassiker mit Furigana
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きゅうぶんにほんばし
旧聞日本橋
長谷川 時雨
Lesen Sie 旧聞日本橋 (きゅうぶんにほんばし) von 長谷川 時雨 (はせがわしぐれ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 18.172 Zeichen · 36 Bildschirme
つけてもらうことになった。十六歳だった。
若いものなどは皆目いない広い邸だった。鼻の頭の赤い老臣が、フーフーと息を吹きながら、袴の裾で長い廊下を拭くように歩いていった。それが有名な国文の学者だといった。表門の坂を俥なり馬車なりが下ってくると、飛び出して、主人の時などは土に手をつく人品の好い門番が、以前は一番上席の家老だったというふうで、小使いも下の女中もみんなお婆さんかお爺さん。たまたま二、三人、上女中でないものに若い女がいたが、年寄りもおんなしことで、ただ年が若いというだけ、新時代に対してなんにも知らない人たちばかりだった。
鍾愛の、美しい孫姫さんが、御方(姫の住居―離れたお部屋)に乳母たちにかしずかれていた。侯爵夫人になられた細川博子さんがそのお姫さまであったが、あたしが奉公してから間もなく、ウエスト夫人という西洋人のところへ、英語を学ばれに通うことになったとき、そのお乳母さんが附いてゆくのが、およそあたしが、生涯に羨ましいと、人のことを羨んだ、たった一つのことで、お今さん、あなたは傍にいらっしゃるのときいたら、はい、すぐお傍にいますが、なんにも覚えてませんと言った。