Japanische Klassiker mit Furigana
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はやみみさんじとりものききがき
早耳三次捕物聞書
林 不忘
Lesen Sie 早耳三次捕物聞書 (はやみみさんじとりものききがき) von 林 不忘 (はやしふぼう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 10.050 Zeichen · 20 Bildschirme
台の上には、他の物と一しょに、丸にいの字の田之助珊瑚が五つ六つ飾ってある。大きさも意匠もみな同じようで、帯留の前飾りにできたものだった。三次は黙ってそれを凝視めていたが、そのうちに、
「その昨日の珊瑚もこのなかにありますかえ。」
と訊いた。番頭が、ありますと答えると、三次は、
「どれだか、あっしが当ててみせよう。」
と言いながら、一つ一つ手にとって指頭で触ってみたり、鼻へ当てて嗅いだりしていたが、やがて、そのうちの一つを掌へ載せて、
「これだろう、え?」
と言って、番頭の眼の前へ突き出した。番頭はびっくりして、頷首いた。
「へえい! こりゃ驚いた。どうしてそれだとわかりました?」
「ま、そんなこたあどうでも好えやな。それよりゃあ番頭さん、珊瑚が無えとお前さんが言いだした時、煎餅屋の女房はどうしましたえ。」
「愕然として突っ立ちました。」
「台の傍にかけてたろう、え?」
「はい。この台のそばに腰かけていましたが、珊瑚が失くなったと騒ぎだしたら、あわてて起ち上りました。」
三次はしばらく考えた後、
「この珊瑚珠あ毎日拭くんでがしょうな?」
「ええ、ええ、それは申すまでもございません。