Japanische Klassiker mit Furigana
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あすをつくるちから
明日をつくる力
宮本 百合子
Lesen Sie 明日をつくる力 (あすをつくるちから) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 9.381 Zeichen · 19 Bildschirme
煙草をのむこと、お酒をのむこと、そとでどんなつき合いをしたってそれは自由、という考えかた。明治四十年頃に未熟であった日本の婦人解放論者たちが、まず自分たちの婦人の権利を示すシンボルのように考えて行ったそういう行動上の示威からはじまって、恋愛も結婚もすべての面で自分の思うとおりに生活していっていいのだという気持もある。ところがそういう「思うがままの生活」に近づいてこまかに眺めたとき、そこで若い女の人はほんとうに、自分が自分の運命の主人になって勝手気儘にに振舞えているのだろうか。ここに大きくふかい疑問がある。今日の世の中で勝手気儘に振舞うためには、それだけ金が要る。日本の労働組合は一生懸命に同じ労働に対する男女の同じ賃金を求めて闘かっているけれども、実際に婦人のとる給料はまだ男よりも少ない。しかし女の子の方が身なり一つにも金がかかる。絹の靴下は一足が八百円もして、それは二ヵ月しかもたないのだから。気儘に振舞う金が正しい労働から得られない実際、そしてまためいめいの家庭はインフレーションによって、せまいながらも楽しいわが家と歌われたそのつつましい安心のよりどころを失って、食べものの分配にからんでさえも、嶮しい感情がひそめられるような状態になっている。