Japanische Klassiker mit Furigana
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めいじかいか あんごとりもの
明治開化 安吾捕物
Lesen Sie 明治開化 安吾捕物 (めいじかいか あんごとりもの) von Sakaguchi Ango (坂口 安吾) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 26.240 Zeichen · 52 Bildschirme
遠山巡査は若いけれども、なかなか目がとどいている。彼の言に一理ありと重太郎も感心した。だが、栃尾はメガネをかけていないではないか。
「昨夜の四人のうちでメガネをかけているのは誰ですか」
こう重太郎がきくと、ハゲ蛸は考えて、
「メガネをかけているのは、たしか、時田さんだけだね。そう、そう。酔っ払いというものは、よくメガネを落すね。時田さんが担がれるようにして店をでたときメガネを落したね。イナビカリがあって、母里さんがすぐ拾ってあげたよ」
「四人の方々が食ったのは馬肉のナベだね」
「へい。そう。ほかにはこの店には食う物がないよ」
「ここに居るうちに酔って吐いた人は?」
「そんなことまで一々分らないよ。外へ小便にでてのことを一々ついて行って見ているとでも思うのかい」
「誰か本を持ってた人は居なかったかね」
「書生さんはたいがい本をフトコロに入れてらアな。そんなことが一々覚えられるかい」
ハゲ蛸は面倒になってカンシャクを起したらしいが、この重太郎の質問をきいて、遠山巡査はそれが要所をついているのに面くらッた。メガネの件は特に重大でなければならぬ。時田がこの店を去る時はメガネをかけていたのだ。