Japanische Klassiker mit Furigana
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めいじかいか あんごとりもの
明治開化 安吾捕物
Lesen Sie 明治開化 安吾捕物 (めいじかいか あんごとりもの) von Sakaguchi Ango (坂口 安吾) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 42.950 Zeichen · 85 Bildschirme
「兄上は心のよからぬ者は男も女も三位一体だとしきりに三の数にこだわっていらッしゃるようですが、私が妙にハッキリと覚えていることは、ロッテナム美人館の扉ボーイの黒ん坊が扉の把手にかける左手の指が、三本指しかなかったことです。小指とクスリ指とがなくなっているのでした。気持のわるい手。私の目にいやらしい蛇のようにハッキリとしみついているのは、そこに謎をとく何かがあるという神様のお告げのようにも思われて……」
と、こう云って、さすがに克子も顔をあからめたが、良人はそれをさえぎって、
「イヤ、イヤ。羞しがらずに、なんでも思いついていることを言い切らなければいけない。人様に云うと笑われそうな、神様だの先祖のお告げかも知れないと思うようなとりとめもない神秘的な暗示や思いつきなどに、案外にも正しいカンが作用しているかも知れないよ。その方がこの目でシカと見たことよりも時には正しい真相を見破っていることがある」
こう云って、通太郎は妻をはげました。かくて二人はいろいろの疑問を提出して考え合ったが、宗久の幻想の由来はどうしても見当がつかない。そして二人は多くの疑問を残して寝についたが、その翌朝の目がさめたとき、克子の頭にフッと浮かんだことがあった。