Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
めいじかいか あんごとりもの
明治開化 安吾捕物
Lesen Sie 明治開化 安吾捕物 (めいじかいか あんごとりもの) von Sakaguchi Ango (坂口 安吾) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 26.713 Zeichen · 54 Bildschirme
突き当って折れると玄関へ通じる階段だ。
「伊助さんだね?」
大伍は立ち上って訊いた。彼は初対面らしい。
「そうです」
と答えると、大伍はだまってうなずき、ドアをあけて伊助を兄の部屋へ通したのち、
「誰が来ても中へ入れるな」
ナミ子にこう命じた。内部からドアのカギをかける音がした。
ナミ子は伊助を見分けることができるかと心配だったが、織物の行商人は一目でたちまち判るものだ。上体の倍もあるような矩形の大包みを背負ってるから、きかなくとも分った。塀についてひろい庭を半周させるのが気の毒だから、
「重いのに大変ですね」
と云うと、
「なれてるから、なんでもない」
と答えた。なるほど小男ながらガッシリと逞しい骨格であった。二人の会話はそれが全部であった。
ナミ子が一人になって十分ほどたつと、急いでやってきたのはオトメであった。この無遠慮な訪客は何よりも危険人物だから、
「いけません。いけません。この時間はいけません。お休の時間です。お客さまはもとより奥さま坊ちゃまですら御面会は夜の七時から十時までと定まっています。そのことは御存知でしょう。ましてあなたは面会の御許しがないのですから、ここへ近よるのも御遠慮なさるのが当然です」