Japanische Klassiker mit Furigana
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めいじかいか あんごとりもの
明治開化 安吾捕物
Lesen Sie 明治開化 安吾捕物 (めいじかいか あんごとりもの) von Sakaguchi Ango (坂口 安吾) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 26.713 Zeichen · 54 Bildschirme
伊助がカギを盗むことはできるが、彼にはその必要がなかろう。また、伊助が一人で居るとき誰かが来てカギを盗み去っても、伊助はその目的に気づかないであろう。
けれども、誰よりも疑わしい犯人にナミ子はまッさきに気づいていた。オトメが早々に現れて、死神をおとすおイノリと称して、タコ入道の踊りのように合掌の手をふりまわした。二本の手が八本以上にも見えたほどクネクネと目をあざむくばかり、予測しようもない動きであった。あの怪しい手が盗んだのかも知れない。そして、他の誰に盗まれてもさしたることはないが、オトメに盗まれたとなると気がかりである。三日にあげずやって来てムリにも中へ入りたがるが、カギがあれば自由に忍びこむことができる。
ナミ子はふと気がつくと、おどろいて、跳びあがった。そして、一目散に廊下をまがって北のドアへ走った。把手に手をかけて引いた。カギがかかっている。ホッとした。
二ツのドアは同じカギで間に合うのだ。内側と外側からも同じカギで間に合う。北側のドアをあけないのは、出入は西のドアに限ると云い渡されているからにすぎない。云い渡しをまもらない人はカギさえあればいつでも北のドアがあけられるし、カギを盗んだ犯人は云い渡しをまもらない者にきまっている。