Japanische Klassiker mit Furigana
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めいじかいか あんごとりもの
明治開化 安吾捕物
Lesen Sie 明治開化 安吾捕物 (めいじかいか あんごとりもの) von Sakaguchi Ango (坂口 安吾) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 21.134 Zeichen · 43 Bildschirme
今様小型紀国屋文左衛門。その半年で立派に財を築いた。一力もわが事のように喜び、
「なア、平井さん。あんたが一人で商売をやると儲けをアバズレにまきあげられてしまう。また、この地にいるのもよろしくない。今、東京では会社というものが、はやっている。オレとお前さんと組で会社をやろうじゃないか。オレが頭取で、お前さんが副頭取。オレがここを本拠にサイハイをふって物資を東京へ送るから、お前さんが東京の支店長で売り捌く役だ。この土地にあんなアマと一しょに居ちゃア生涯ウダツがあがらないよ」
正二郎は聟となって平井と姓が変っていた。一力の親切この上もない申出に正二郎は狂喜した。運漕をはじめて自分の財産ができて以来、寝た間も忘れることができないのは、清作の運命であった。暗い井戸端でフグを手造りしていた宮吉の姿、その毒を隠しもって二号の家へ忍びこんだに相違ない怪人物の姿、それはお米の姿でもあれば、お源の姿でもあるし、花亭の姿でもあった。その誰かが枕元に忍びよる幻想を忘れることができないのだ。塩竈の地にいては寝た間も心は休まらない。彼が商用に精がでるのも塩竈の地をはなれる喜びがとみに勇気を溢れ立たせるせいもあった。