Japanische Klassiker mit Furigana
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ほしじょろう
星女郎
泉 鏡花
Lesen Sie 星女郎 (ほしじょろう) von 泉 鏡花 (いずみきょうか) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 52.344 Zeichen · 104 Bildschirme
(姉さん、この方を留めて下さい、帰しちゃ厭よ。)
と言うが疾いか、すっと、戸口の土間へ、青い影がちらちらして、奥深く消え込んだ。
私は呆気に取られた。
すると、姉さんと言われた、その貴婦人が、緊った口許で、黙って、ただちょいと会釈をする、……これが貴下、その意味は分らぬけれども、峠の方へ行くな、と言って………手で教えた婦人でしょう。
何にも言わないだけなお気がさす。
(ええ、実は……)
と前刻からの様子を饒舌って、ついでに疑を解こうとしたが、不可ません。
(ああ、)
それ覗くまでもなく、立ったままで、……今暗がりへ入った、も一人の後を軒下にこう透しながら、
(しばらくどうぞ。)
坂を上って、アノ薄原を潜るのに、見得もなく引提げていた、――重箱の――その紫包を白い手で、羅の袖へ抱え直して、片手を半開きの扉へかける、と厳重に出来たの、何の。大巌の一枚戸のような奴がまた恐しく辷りが良くって、発奮みかかって、がらん、からから山鳴り震動、カーンと谺を返すんです。ぎょっとしました。
その時です。
(どこへもいらしっちゃ不可ませんよ。)
と振返りざまに莞爾、美しいだけにその凄さと云ったら。