Japanische Klassiker mit Furigana
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ほしじょろう
星女郎
泉 鏡花
Lesen Sie 星女郎 (ほしじょろう) von 泉 鏡花 (いずみきょうか) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 52.344 Zeichen · 104 Bildschirme
「飛んだ事を!」
と強く言った。
「はてな。」
「婦たちは母屋に寝て、私は浅芽生の背戸を離れた、その座敷に泊ったんです。別々にも、何にも、まるで長土間が半町あります。」
「またそれで、どうして貴辺は?」
「そうです……お聞苦しかろうが、覗いたんです。」
「お覗きなすった?いずれから。」
「長土間を伝って行って、母屋の一室を閨にした、その二人の蚊帳を、……
というのが――一人で離座敷に寝たには寝たが、どうしても静と枕をしている事が出来なくなってしまったんですね。」
「山伏でも寝にくいで、御無理はない、迷いじゃな。」
「迷……迷いは迷いでしょうが、色の、恋のというのじゃありません。これは言訳でも何でもない、色恋ならまだしもですが、まったくは、何とも気味の悪い恐しい事が出来たんです。」
「はあ、蚊帳を抱く大入道、夜中に山霧が這込んでも、目をまわすほど怯かされる、よくあるやつじゃ。」
「いや、蚊帳は釣らないで臥りました。――母屋の方はそうも行かんが、清水があって、風通しの可いせいか、離座敷には蚊は居ません。で、ちと薄ら寒いくらいだから――って……敷くのを二枚と小掻巻。どれも藍縞の郡内絹、もちろんお綾さん、と言いました、少い人の夜のもの……そのかわり蚊帳は差上げません。