Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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はるのひ

春の日

小川 未明

Lesen Sie 春の日 (はるのひ) von 小川 未明 (おがわみめい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 2.003 Zeichen · 5 Bildschirme

Aozora Bunko

「この鐘は、私が、忠勇の兵士をここへ呼び集めるときに、鳴らす鐘だ。これを鳴らせば、たちどころに、城下に住む三万の兵士たちは、ここへ集まってくるのじゃ。」

「どうか、この鐘を鳴らしてみせてはくださいませんか。」

「ばかなことをいうものでない。ほかの願いならなんなりときいてやるが、この鐘は大事があったときのほかは、鳴らされないのだ。」

「これほど、お願いしても、おききくださらなければ……。」

王さまは、愛するお后の機嫌を損じたと思し召されて、家来に命じて、鐘をお鳴らしになりました。

すると、「すわ、大事だ!」と、いって、三万の兵士は、取るものもとりあえず、軍の仕度をして、御殿のまわりに集まりました。

これをごらんになった、お后は、はじめて、からからとお笑いなさいました。

何事もなかったとわかると、兵士たちは、そのまま帰ってしまいました。

お后は、鐘を鳴らしただけで、あの先を争って集まった兵士たちのようすを、もう一度見たいと思われました。

「もう一度あの鐘を鳴らしてみせてください。」

王さまは、美しいお后の笑いをごらんになりたいばかしに、また鐘をお鳴らしなさいました。