Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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はるのひ

春の日

小川 未明

Lesen Sie 春の日 (はるのひ) von 小川 未明 (おがわみめい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 2.003 Zeichen · 5 Bildschirme

Aozora Bunko

鐘の音をきくと、兵士たちは、取るものもとりあえず、軍の装束に身を堅めて、前と同じように、御殿のまわりに集まってまいりました。これをごらんになったお后は、おもしろがって、からからと、ころげるばかりに、お笑いなさいました。

それから、幾月も間がなかったのであります。やぐらに登って見張りをしていた家来が、あわてて降りてきて、

「たいへんです、夷の軍勢が、押し寄せてまいりました。」と、王さまに、お告げしました。

王さまは、お驚きなされて、さっそく、鐘をお鳴らせになりました。しかし、二度も、だまされた人たちは、またかといって、だれもくるものがありませんでした。それがために王さまとお后は、ついに夷の軍勢のために、浮虜となってしまいました。――

おじいさんのお話は、終わりました。

*   *   *   *   *

三郎は、肩をならべて、お家の方へ帰りました。

「昔、支那にあった、ほんとうの話だってね。」と、武ちゃんが、いいました。

「ばかな、王さまだなあ。」と、徳ちゃんが、考え深そうに、いまの話を思い出しながらいいました。

「私、あんな后きらいよ。」と、とし子さんが、恥ずかしそうにしていいました。