Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
はんしちとりものちょう
時代推理小説 半七捕物帳(六)
岡本 綺堂
Lesen Sie 時代推理小説 半七捕物帳(六) (はんしちとりものちょう) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 196.831 Zeichen · 396 Bildschirme
「それは御苦労。わたしは墓参で白髯の辺まで行く。屋敷を遅く出たので、帰りは日が暮れるかも知れない。寺の遠いのは少し難儀だな……」と、理右衛門はまた笑った。
綾瀬へゆく人、白髯へゆく人、勿論おなじ方角であるので、二人は列んで歩き出した。
「ゆうべの空模様では雨になるかと思ったら、思いのほかにのどかな日和になった。堤の桜の咲くのももう直きだ」と、理右衛門は晴れた空を仰ぎながら云った。「して、綾瀬の親類へはなんの用で……。遊びに行くのかな」
「いえ」とは云ったが、長三郎は少し返事に困った。
「もしや姉さんを尋ねているのではないかな」と、理右衛門は小声で訊いた。
理右衛門がどうしてそれを知っているかと、長三郎は一旦おどろいたが、彼が白魚河岸の吉田と懇意である以上、そこから幸之助や姉の家出一件を聞き知っているのであろうと察したので、長三郎は正直に答えた。
「実は少し心配のことがありますので……」
「むむ。その件については白魚河岸でも心配しているようだ」と、理右衛門はうなずいた。
「きのうも私が日本橋をあるいていると、岡っ引の吉五郎が私を呼び留めて、吉田の家のことを訊いていたが、あいつも今度の一件についての何かの探索をしているらしい。