Japanische Klassiker mit Furigana
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はんしちとりものちょう
時代推理小説 半七捕物帳(六)
岡本 綺堂
Lesen Sie 時代推理小説 半七捕物帳(六) (はんしちとりものちょう) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 196.831 Zeichen · 396 Bildschirme
「戸沢長屋のお葉……。あいつなら好く識っています。雨の降るのに大勢がつながって出かけることはねえ。わっしが行って調べて来ますよ」
「だが、折角踏み出して来たものだ。どんなところに巣を食っているか、見てやろう」
三人は傘をならべて歩き出すと、やがてお葉の家の前に出た。小綺麗な仕舞家暮らしで、十五、六の小女がしきりに格子を拭いていた。この天気に格子を磨かせるようでは、お葉は綺麗好きの、口やかましい女であるらしく思われた。半七と亀吉を二、三軒手前に待たせて置いて、庄太はその小女に声をかけようとする処へ、お店の番頭らしい四十五、六の男が来かかった。彼は庄太を識っていると見えて、挨拶しながら近寄って何か小声で話していた。
「馬鹿に長げえなあ。雨のふる中にいつまで立たせて置くのだ。親分、どうしましょう」
「まあ、待ってやれ。なにか大事の用があるのだろう」
やがて庄太は引っ返して来て、かの男は馬道の増村という大きな菓子屋の番頭宗助であるが、親分たちにちょっとお目にかかりたいから、御迷惑でもそこまでお出でを願いたいと云う。それには仔細があるらしいから、ともかくも来てくれまいかと云った。