Japanische Klassiker mit Furigana
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はんしちとりものちょう
時代推理小説 半七捕物帳(六)
岡本 綺堂
Lesen Sie 時代推理小説 半七捕物帳(六) (はんしちとりものちょう) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 196.831 Zeichen · 396 Bildschirme
「そうして、どこへ行った」
「どうしても江戸にはいられない。といって、村へ帰ることも出来ない。相州大磯の在に知り人があるから、一時そこに身を隠していると申しますので、亭主には内証で少々の路用を持たせてやりました」
それを亭主の要作に覚られたのが夫婦喧嘩のもとであり、家出のもとであると、お霜は白状した。
「次郎兵衛はどうしてお葉と懇意になったのだ」と、半七はまた訊いた。
「船のなかで……」と、お霜は答えた。「御承知でもございましょうが、川越から江戸へ出ますには、新河岸川から夜船に乗ります。その船のなかで懇意になったのだそうでございます」
お磯の身売りについて、お葉は玉の下見に行った。その帰りの船が次郎兵衛と一緒であったので、互いに心安くなった。乗合いは田舎道者や旅商人、そのなかで年も若く、在郷者には不似合いのきりりとした次郎兵衛の男ぶりがお葉の眼に付いたらしく、船場で買った鮨や饅頭などを分けてくれて、しきりに馴れなれしく話しかけた。むかしの夜船はとかくにいろいろの※(「插」でつくりの縦棒が下に突き抜けている、第4水準2-13-28) 話を生み易いものである。