Japanische Klassiker mit Furigana
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はんしちとりものちょう
時代推理小説 半七捕物帳(六)
岡本 綺堂
Lesen Sie 時代推理小説 半七捕物帳(六) (はんしちとりものちょう) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 196.831 Zeichen · 396 Bildschirme
その頃の若侍のあいだには「胆だめし」と唱えて、あるいは百物語を催し、あるいは夜ふけに墓場へ踏み込み、あるいは獄門首の晒されている場所をたずねる、などの冒険めいた事がしばしば行なわれていた。伝兵衛が長三郎を誘ったのも、その意味である。長三郎のかよっている剣術の道場でも、これまで往々にそんな催しがあったが、彼はまだ十五歳の前髪であるので、とかくにその仲間から省かれ勝ちであるのを、彼はふだんから残念に思っていた。その矢さきへ、この相談を持ち掛けられたのであるから、長三郎はよろこんで即座に承諾した。彼はぜひ一緒に連れて行ってくれと答えると、伝兵衛は然もこそと云うようにうなずいた。
「むむ。お前ならばきっと承知するだろうと思った。では、今夜の五ツ頃(午後八時)から出かける事にしよう。だが親父やおふくろが承知するかな」
「夜学に行くことにして出ます」
長三郎は護国寺門前まで漢籍の夜学に通うのであるから、両親の手前はその夜学にゆくことにして怪しい蝶の探索に出ようと云うのである。その相談が決まって、彼は威勢よく我が家へ帰った。
「あなたはともかくも、年の若い長さんなぞを連れ出して、なにかの間違いがあると困りますよ」