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Japanische Klassiker mit Furigana

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はんしちとりものちょう

時代推理小説 半七捕物帳(六)

岡本 綺堂

Lesen Sie 時代推理小説 半七捕物帳(六) (はんしちとりものちょう) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 196.831 Zeichen · 396 Bildschirme

Aozora Bunko

おれもここまでわざわざ踏み出して来た以上、おめえ達に化かされて素直に帰るのじゃねえ。家探しをしても三甚に逢って行くから、そう思ってくれ」

半七の声が少し高くなった時、女中のひとりが来て、亭主を縁側へ呼び出した。ちょっと御免くださいと会釈して、亭主は怱々に出て行ったが、やがて女中と一緒に帳場の方へ立ち去った。

それと入れ違いに、ほかの女中が酒肴の膳を運んで来た。

「旦那は唯今すぐに参ります」

彼女も逃げるように立ち去った。亭主も一旦はシラを切ったものの、やがて三甚を連れて来るのであろうと想像しながら、手酌でぼんやり飲んでいると、そこらの森では早い蝉の声がきこえた。

それから小半時を過ぎたかと思われるのに、亭主は再び顔を見せなかった。女中も寄り付かなかった。一本の徳利はとうに空になってしまったが、誰も換えに来る者もなかった。半七はたまりかねて手を鳴らしたが、誰も返事をしなかった。人質に取られたような形で、半七はただ詰まらなく坐っていた。

出入りの多い客商売であるから、人目に付くのをおそれて、娘と三甚をほかの家にかくまってあるのかも知れないと、半七は考えた。