Japanische Klassiker mit Furigana
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はんしちとりものちょう
時代推理小説 半七捕物帳(六)
岡本 綺堂
Lesen Sie 時代推理小説 半七捕物帳(六) (はんしちとりものちょう) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 196.831 Zeichen · 396 Bildschirme
おめえ、あの女に借りたことがあるのか」
「ほかの者にゃあどうだか知らねえが、おれには貸してくれるよ」
「まさか情夫になった訳じゃあるめえな」
「情婦になってくれりゃあいいが、まだそこまでは運びが付かねえ」
「それにしても、不思議だな。あの女がおめえに金を貸してくれると云うのは……。どうして貸してくれるんだよ」
「はは、それは云えねえ。なにしろ、おれには貸してくれるよ。おれが口説けば、お近さんは貸してくれるんだ」
「それじゃあ、おれも頼んでみようかな」
「馬鹿をいえ。おめえなんぞが頼んだって、四文も貸してくれるもんか。はははははは」
こんなことを話しながら、押し合ってゆく二人のうしろには、又ひとつ黒い影が付きまとっていた。音羽の七丁目から西へ切れると、そこに少しばかりの畑地がある。そこへ来かかった時に、むこうから拍子木の音が近づいて、火の番の藤助の提灯がみえた。
「今晩は」と、藤助が先ず声をかけた。
「やあ、御苦労だな」と、中間のひとりが答えた。「べらぼうに寒いじゃあねえか」
「お寒うございますな」
「いくら廻り場所だって、こんなところを正直に廻ることもあるめえ。ここらにゃあ悪い狐がいるぜ」