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Japanische Klassiker mit Furigana

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はんしちとりものちょう

時代推理小説 半七捕物帳(六)

岡本 綺堂

Lesen Sie 時代推理小説 半七捕物帳(六) (はんしちとりものちょう) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 196.831 Zeichen · 396 Bildschirme

Aozora Bunko

加害者は万力、被害者はお俊、この推定はどうしても動かないと彼は思った。

木枯しは夜通し吹きつづけて、明くる朝は下町も一面に凍っていた。その五ツ(午前八時)頃に松吉は寒そうな顔をみせた。

「なるほど親分の眼は高けえ。やっぱりお俊らしゅうござんすよ。なにしろ、あの碁盤は伊勢屋から出たものに相違ありません。近所の同商売の者に訊いてみると、柘榴伊勢屋には先代から薄雲の碁盤という物があるそうです。その碁盤には、猫の魂が宿っていて、それを置くと鼠が出ないと云うので……」

「そうか。判った」と、半七はうなずいた。「酒屋の番頭の話じゃあ、お俊は鼠が大嫌いで、あの貸家に鼠が出て困ると云っていたそうだ。その鼠よけのまじないに、伊勢屋から薄雲の碁盤を持ち込んだのだろう。そこで、伊勢屋の主人と云うのはどういう奴だ」

「伊勢屋の由兵衛は四十ぐらいで、女房のおかめは三十五、夫婦のあいだに子供はありません。あんまり万力を可愛がっているので、今に万力を養子にするのじゃあねえかと、近所じゃあ云っていますが、真逆にそうもなりますめえ。万力は二十一で、男も好し、力もあり、人間も正直でおとなしいから、今に出世をするだろうと、世間じゃあ専ら噂をしています。