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Japanische Klassiker mit Furigana

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はんしちとりものちょう

時代推理小説 半七捕物帳(六)

岡本 綺堂

Lesen Sie 時代推理小説 半七捕物帳(六) (はんしちとりものちょう) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 196.831 Zeichen · 396 Bildschirme

Aozora Bunko

開帳は夕七ツ限りであるから、参詣人はみな散ってしまって、境内はもうひっそりとしているが、門前町はまだ何かごたごたして、灯の明るい店では女の笑い声もきこえた。

兼松は桐屋という花暖簾をかけた茶店へはいった。

「まだ店はあるのかえ」

「どうぞお休み下さい」と、若い女が愛想よく迎えた。

勘太もつづいてはいった。二人は床几に腰をかけて、茶をのみながら開帳の噂をはじめた。

「今度は大当たりだそうだな」と、兼松は笑いながら云った。

「時候がいいのに、お天気がよいので、たいそうな御参詣でございます」と、女も笑いながら答えた。「本所深川や浅草の遠方からも随分お詣りがあるようです」

「奉納物のなかで、銭の兜というのが評判だそうだが……」

「ええ。あの兜はほんとうに好く出来ていると云って、どなたも感心しておいでです」

「毎日飾ってあるのかえ」

「どういう訳だか知りませんが、それがきょうは飾ってなかったそうで……。わざわざお出でになって、力を落としてお帰りになった方もございます」

「なぜ引っ込ませたのだろう」と、勘太は空とぼけて訊いた。

「さあ、なぜでしょうか」と、女も首をかしげていた。