Japanische Klassiker mit Furigana
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はんしちとりものちょう
時代推理小説 半七捕物帳(六)
岡本 綺堂
Lesen Sie 時代推理小説 半七捕物帳(六) (はんしちとりものちょう) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 196.831 Zeichen · 396 Bildschirme
それが年々一日も違わないので、ここでは七不思議の一つと云われています。そこで、その鷺や鵜は品川の海や多摩川のあたりまで飛んで行って、いろいろの魚をくわえて来るが、時にはあやまって其の魚を木の上から落とすことがある。土地の女子供はそれを見つけて拾って来る。ここらは海の遠い所ですが、鳥のおかげで、案外に海魚の新らしいのを拾うことが出来ると云うのは、何が仕合わせになるか判りません。早く云えば天から魚が降って来るようなわけで……」
「おもしろい話ですね。今でもそうでしょうか」
「さあ、今はどうだか知りませんが、昔はそうでした。現にわたくしも見たのだから嘘じゃありません」と、老人はつづけて笑った。「その時にも魚が降って来ましたよ。わたくしと幸次郎と善八、この三人が宿屋を出て、六所明神の社をさして行きかかると、今も申す通り、随身門までは右も左も松杉の大きい森、その森を横に見ながら辿って行くと、幸次郎がだしぬけにあっと云う。何かと思ってその指さす方角を見ると、一羽の大きい白鷺が大空から舞いさがって、森のこずえに降りようとする途端に、どうしたはずみか、銜えている黒い魚を振り落としたので、魚は天から降って来たという形。