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Japanische Klassiker mit Furigana

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はんしちとりものちょう

時代推理小説 半七捕物帳(六)

岡本 綺堂

Lesen Sie 時代推理小説 半七捕物帳(六) (はんしちとりものちょう) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 196.831 Zeichen · 396 Bildschirme

Aozora Bunko

何事をか思い泛かべるように、半七老人は薄く眼を瞑じた。それが老人の癖であると共に、なにかの追憶でもあることを私はよく知っていた。わたしは懐中の手帳をさぐり出して膝の上に置くと、その途端に老人は眼をあいた。

「あなたも気が早い。もう閻魔帳を取り出しましたな。あなたに出逢うと、こっちが縛られ地蔵になってしまいそうで。あはははは」

地蔵縛りし藤の花――几董の句のおかげで、きょうも私は一つの話を聞き出した。

「そのお話というのは、まあ斯うです」と、老人は語り始めた。「林泉寺は茗荷谷ですが、それから遠くない第六天町に高源寺という浄土の寺がありました。高源寺か高厳寺か、ちょっと忘れてしまいましたが、まあ高源寺としてお話を致しましょう。これも可なりの寺でしたが、この寺の門前にも縛られ地蔵というものが出現しました。林泉寺に比べると、ずっと新らしいもので、なんでも安政の大地震後に出来たものだそうです」

「そういう地蔵を新規に拵えたんですか」

「まあ、拵えたと云えば云うのですが……。高源寺の住職の夢に地蔵尊があらわれて、我れは寺内の墓地の隅にあって、土中に埋めらるること二百余年、今や結縁の時節到来して人間に出現することとなった。