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Japanische Klassiker mit Furigana

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はんしちとりものちょう

時代推理小説 半七捕物帳(六)

岡本 綺堂

Lesen Sie 時代推理小説 半七捕物帳(六) (はんしちとりものちょう) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 196.831 Zeichen · 396 Bildschirme

Aozora Bunko

女はあわてて逃げ去ろうとするのを、町人は駈け寄って押さえようとすると、幸之助は又それをさえぎるように立ち塞がった。男ふたりが互いに争っているあいだに、女は一目散に逃げ出した。

女はともあれ、眼のまえに争っている男ふたりをどう処置していいのか、長三郎も当座の分別に迷った。本来ならば幸之助に加勢するのが当然であるが、今の場合、幸之助を助けるか町人を助けるか、どちらにするのが正しいか、長三郎にも見当が付かなかった。彼はいったん立ち上がりながらも、いたずらに息を呑んでその成り行きを眺めているうちに、町人は草履をすべらせて小膝を突いた。幸之助はそれを突き倒して逃げ出した。男はすぐに跳ね起きて、そのあとを追ってゆくと、幸之助は畑のなかへ飛び込んで、路を択ばずに逃げてゆく。追う者、追われる者、その姿は欅の木立のかげに隠れてしまった。

何がどうしたのか、長三郎にはちっとも判らなかった。彼はもうその跡を尾けてゆく元気もなくて唯ぼんやりと突っ立っていたが、さっきからの行動をみると、かの町人は唯者ではない。おそらく八丁堀同心の手に付いている岡っ引のたぐいであろうと想像された。