Japanische Klassiker mit Furigana
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はんしちとりものちょう
時代推理小説 半七捕物帳(六)
岡本 綺堂
Lesen Sie 時代推理小説 半七捕物帳(六) (はんしちとりものちょう) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 196.831 Zeichen · 396 Bildschirme
長三郎はいつもの通りに剣術の稽古に行って、ひる頃に帰って来ると、母のお由は午飯を食いながら話した。
「おとなりの幸之助さんはゆうべから帰らないそうだね」
「どうしたのでしょう」と、長三郎はそらとぼけて訊いた。
「お友達と一緒に遊びにでも行ったのかも知れない」と、お由は笑いながら云った。「こっちへ来てはまだ昨今だけれど、京橋の方にはお友達が随分あるようだからね。なにしろ御納屋の人たちには道楽者が多いと云うから」
「お婿に来て、まだ一と月にもならないのに、夜遊びなんぞしては悪いでしょう」
「悪いとも……」と、お由はうなずいた。「けれども、お婿と云っても相手のお勝さんがあの通りだからね。きっとお友達にでも誘われて、どこへか行ったのだろうよ」
姉のお北も、妹のお年も、そばで一緒に箸をとっているので、長三郎はこの対話のあいだに姉の顔をぬすみ視ると、気のせいか、お北の顔色はやや蒼白く見られた。
その日の夕方に、お北もゆくえ不明になった。
七
「きょうはお天気で好うござんしたね」と、二十四、五の小粋な女房が云った。
「むむ。初午も二の午も大あたりだ。おれも朝湯の帰りに覗いて来たが、朝からお稲荷さまは大繁昌だ」