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Japanische Klassiker mit Furigana

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はんしちとりものちょう

時代推理小説 半七捕物帳(六)

岡本 綺堂

Lesen Sie 時代推理小説 半七捕物帳(六) (はんしちとりものちょう) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 196.831 Zeichen · 396 Bildschirme

Aozora Bunko

しかしまあ、よく気を付けましょう」

「しっかり頼むぞ」

「ようがす」

「手が足りなければ、誰か貸してやろうか」

「さあ」と、留吉はかんがえた。「大勢であらすと却っていけねえかも知れません。もう少し一騎討ちでやってみましょう」

他人に功名を奪われたくないような口振りで、留吉は早々に出て行った。吉五郎は又もや煙管を取り上げて、しずかに煙りを吹いていたが、やがて何をかんがえたか、忙がしそうに煙管をはたいて立ちあがると、あたかも表の格子のあく音がして、お国と女中が帰って来た。

「おい。着物を出してくれ」

「どっかへ行くの」と、お国は訊いた。

「むむ。留が今来たが、あいつ一人には任せて置かれねえ事が出来た。おれもちょいと出て来る」

吉五郎も早々に着物を着かえて、表へ出て行った。商売で出ると云うのであるから、女房ももう其の行く先きを訊こうとはしなかった。

その日の午後である。

旧暦二月のなかばの春の空は薄むらさきに霞んで、駿河町からも富士のすがたは見えなかった。その日本橋の魚河岸から向う鉢巻の若い男が足早に威勢よく出て来た。男は問屋の若い衆であるらしく、大きい鯛を青籠に入れて、あたまの上に載せていた。