Japanische Klassiker mit Furigana
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はんしちとりものちょう
時代推理小説 半七捕物帳(六)
岡本 綺堂
Lesen Sie 時代推理小説 半七捕物帳(六) (はんしちとりものちょう) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 196.831 Zeichen · 396 Bildschirme
そらとぼけてそんなことを云うのか、或いはまったく知らないのか。吉五郎はその判断に苦しみながらあいまいに答えた。
「うしろ暗いことがあるか無いか、それは調べてみなければ判りませんが、いずれにしても駈落者は一応の詮議を致さなければなりませんので……。まして世間へは駈け落ちと見せかけて、我が家の近所にうろ付いているなぞは、潔白な人間のおこないでは無いように思われますので、ともかくも取り押さえようと致しますと、案外に手向いを致しますので、よんどころなくお縄をかけたのでございます」
「ごもっともで……。そこで、その藤助がこの寺の墓地へ逃げ隠れたと仰しゃるのですか」と、住職はまた訊いた。
「今も申す通り、なにぶん暗いので確かなことは判りませんが、もしやと思いまして……」
「では、確かにこの寺内へ逃げ込んだというお見込みが付いたわけでも無いのですな」
このとき納所が茶と菓子を運んで来たので、それを機に住職は又あらためて会釈した。
「甚だ勝手でござりますが、実は二、三日前から風邪で引き籠って居りますので、わたくしはこれで御免を蒙ります。どうぞゆるゆると御休息を……」
「御病ちゅう御迷惑をかけて恐れ入ります、御遠慮なくお休みください」