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Japanische Klassiker mit Furigana

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はんしちとりものちょう

時代推理小説 半七捕物帳(四)

岡本 綺堂

Lesen Sie 時代推理小説 半七捕物帳(四) (はんしちとりものちょう) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 217.272 Zeichen · 434 Bildschirme

Aozora Bunko

半七捕物帳

一

なにかの話から、神田の柳原の噂が出たときに、老人はこう語った。

「やなぎ原の堤が切りくずされたのは明治七、八年の頃だと思います。今でも柳原河岸の名は残っていて、神田川の岸には型ばかりの柳が植えてあるようですが、江戸時代には筋違橋から浅草橋までおよそ十町のあいだに高い堤が続いていて、それには大きい柳が植え付けてありましたから、春さきの眺めはなかなかよかったものです。柳原の柳はなくなる、向島の桜はだんだん影がうすくなる、文明開化の東京はどうも殺風景になり過ぎたようですね。いや、むかし者の愚痴ばかりでなく、これはまったくのことですよ。今のお若い方はおそらく御承知ないでしょうが、あの堤に清水山という小さい岡のようなものがありました。場所は筋違橋と柳の森神社とのあいだで、神田川の方にむかった岡の裾に一つの洞穴があって、その穴から絶えず清水をふき出すので、清水山という名が出来たのだそうです。それだけのことならば別に仔細はないのですが、むかしからの云いならわしで、この清水山にはいろいろの怪異があって、迂濶にはいると禍いがあるということになっているので、長い堤のあいだでも、ここだけは誰も近寄るものがない。