Japanische Klassiker mit Furigana
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はんしちとりものちょう
時代推理小説 半七捕物帳(四)
岡本 綺堂
Lesen Sie 時代推理小説 半七捕物帳(四) (はんしちとりものちょう) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 217.272 Zeichen · 434 Bildschirme
ゆうべは遅く帰ったので、けさ改めて重役方にそのことを申し立てると、自分はひどく叱られた。
大切な御品を発見した以上、何事を差しおいても其れを取り戻す工夫をしなければならないのに、うかうか見過ごしてしまうとは余りの手ぬかりである。寸善尺魔の譬えで、万一きのうのうちに他人の手に渡ってしまったらどうするか。持ち合わせの金がなければ、相当の手付けを置いてくるか、万やむを得なければ屋敷の名をあかしても店の者に持たせてくるか、なんとか臨機の処置を取るべき筈であるのに、そのままに見過ごすとは何事であるかと、自分は重役方からさんざんに叱られた。そう云われると、まったく一言もない。それでもきのうのきょうである。殊に余の品とも違って、めったに売れそうもないものであるから、おそらく無事であることと多寡をくくって、唯今かさねて来てみると、間の悪いときは悪いもので、その仮面はひと足ちがいで他人に買われてしまった。さてこうなると、どうしていいか判らない。今さら歯咬みをしても、地団太をふんでも、取り返しの付かないことになった。
「手前が重々の不調法、その申し訳には腹を切るよりほかはござらぬ」