Japanische Klassiker mit Furigana
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はんしちとりものちょう
時代推理小説 半七捕物帳(四)
岡本 綺堂
Lesen Sie 時代推理小説 半七捕物帳(四) (はんしちとりものちょう) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 217.272 Zeichen · 434 Bildschirme
神田に多年住んでいて、ここらは眼をつぶっても歩かれるくらいによく知っているのではあるが、こういう問題が新らしく湧き出して来ると、やはり一応は念入りに調べてみなければならないので、半七は筋違から和泉橋の方をさして堤づたいにぶらぶらたどってゆくと、長い堤の果てから果てまでが二百何十本とかいう一列の柳は、このごろの霜や風にその葉をふるい尽くして、骨ばかりに痩せた姿をさびしく晒していた。清水山に近い大きい本には、一羽の烏が寒そうに鳴いているのを、半七は立ちどまって見あげた。
金太夫も云う通り、山というのは名ばかりで、足の長いものならばまたぎ越えられるぐらいの小さい高地で、全体の地坪から見ても三四十坪を過ぎまいと思われるのであるが、昔から奇怪な伝説の付き纏っているところだけに、生い茂った灌木のあいだには高い枯れ草がおおいかかって、どこから吹き寄せたとも知れない落葉がまたその上をうずめていた。気のせいか何となく物凄い場所ではあるが、これが山の手の奥とか、下町でも場末のさびしい場所ともあることか、神田の柳原の大通りにむかっていて、うしろには神田川の流れを控えている。