Japanische Klassiker mit Furigana
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はんしちとりものちょう
時代推理小説 半七捕物帳(四)
岡本 綺堂
Lesen Sie 時代推理小説 半七捕物帳(四) (はんしちとりものちょう) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 217.272 Zeichen · 434 Bildschirme
為さんは無事に泳ぎついて助かったのかも知れないが、亭主のゆくえ不明がどうしても判らなかった。それともお新の云うように、いい加減のこしらえ事をして何処かの色女のところに隠れ遊びをしているのかと、お徳は半信半疑のうちにその夜をあかした。
雨は暁方から又ひとしきり止んで、梅雨とは云っても夏の夜は早く白んだ。ゆうべは碌々に眠らなかったお徳は、早朝から店をあけて亭主の帰るのを待っていたが、藤吉はやはりその姿をみせなかった。もう一度、越前屋へ行って、亭主の為さんに逢って、くわしいことを詮議して来ようと思っているところへ、飛んでもない噂がここらまで伝わってお徳をおどろかした。藤吉の死骸が江戸川のどんど橋の下に浮かんでいたというのである。自分が追い立てるようにして越前屋へ出してやった亭主の藤吉が、どうして再び江戸川の方角へ迷って行って、そこに身を沈めるようになったのか。ゆうべ死んだというのは、為さんでなくて藤吉であったのか。ゆうべ帰って来たのは幽霊か。なにが何やら、お徳にはちっとも判らなくなってしまった。
なにしろ其の儘にしては置かれないので、お徳はとりあえずその実否を確かめに行こうとすると、家主もその噂を聴いて出て来た。