Japanische Klassiker mit Furigana
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はんしちとりものちょう
時代推理小説 半七捕物帳(四)
岡本 綺堂
Lesen Sie 時代推理小説 半七捕物帳(四) (はんしちとりものちょう) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 217.272 Zeichen · 434 Bildschirme
と云って、立派に受け合って来た以上、今さら素手では帰れない。見ず識らずの草履屋へ行って、だしぬけに鯉を売ってくれと云ったところで相手が取りあう筈もない。思案に暮れた挙げ句の果てに、思いついたのが怪談がかりの狂言で、そこらの井戸の水か何かで髪をぬらしたり着物を湿らしたりして、草履屋の店へたずねてゆくと、丁度に亭主は留守で女房ひとりのところ。こっちは踊りの師匠ですから、身振りや仮声も巧かったんでしょう、なんだか仔細らしく物すごく持ち掛けて、まんまと首尾よくその鯉をまきあげて行ったのには、芝居ならばこのところ大出来大出来というところかも知れません」
「いや、わかりました。なるほどお糸という女はなかなかの芝居師ですね。そこで、藤吉の方はどうしたのです」と、わたくしは追いかけて訊いた。
「ここまでお話をすれば、あなた方にも大抵鑑定が付くでしょう。こうなれば、もう訳はありませんよ」と、老人はまだ判らないかと云うようにわたしの顔を眺めながら、息つぎの煙草を一服吸った。
「わたくしは富蔵の顔を睨んで、やい、てめえの頸のまわりや手の甲に引っかき疵のあるのはどうしたんだ。