Japanische Klassiker mit Furigana
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はんしちとりものちょう
時代推理小説 半七捕物帳(四)
岡本 綺堂
Lesen Sie 時代推理小説 半七捕物帳(四) (はんしちとりものちょう) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 217.272 Zeichen · 434 Bildschirme
どんな様子か実地を見とどけて、怪しい節があればすぐに引き挙げてもいいと決心して、松吉にもそっとささやくと、彼も同意して親分のあとに続いた。
街道から右へ切れると、そこらには田畑が多かった。細い田川も流れていた。その田川で小鮒でもあさっているらしい子供に教えられて、金造の家はすぐに知れた。むさし屋の女の云った通り、近所に遠い畑のなかに二軒の藁葺き屋根が隣り合っていて、外には型ばかりの低い垣根が結いまわしてあった。軒は朽ち、柱は傾いて、どっちが空家か判らないほどに荒れているので、二人は垣根の外に忍び寄って、右と左の家をうかがっていると、左の家のなかで忽ちにわっという男の悲鳴がきこえた。
二人ははっと顔を見あわせると、破れ障子を蹴倒して一人の男がころげ出した。彼は左の脇腹をかかえながら、庭の空地に転げ落ちたかと思うと、また這い起きて駈け出して、竹の朽ちている垣根を押し破って、表へくぐり出ると直ぐにのめって倒れた。その腰から下は溢れるばかりの生血にひたされていた。
「や、金造か」と、松吉は叫んだ。「おい、どうした、どうした」
金造は倒れたままで声も出さなかった。