Japanische Klassiker mit Furigana
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はんしちとりものちょう
時代推理小説 半七捕物帳(四)
岡本 綺堂
Lesen Sie 時代推理小説 半七捕物帳(四) (はんしちとりものちょう) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 217.272 Zeichen · 434 Bildschirme
その身なりは粗末であっても、その容貌の美しいのと、その物腰のしとやかなのが彼女のこころを強く惹きつけたらしい。娘は別れるときに、二度ばかり久兵衛の顔を見かえった。それが又、若い男の心をも惹きつけたのであった。
奥山にはかの驢馬のほかに、菊川国丸の蹴鞠、淀川富五郎の貝細工などが評判であるので、それらも話の種に見物する予定であったが、巾着切りの一件から何だか心が落ち着かなくなったので、母子はこれから直ぐに帰ろうかなどと話し合っているところへ、小僧の宇吉があわただしく引っ返して来た。
「大変です。早く来てください」
今の娘が人丸堂のそばで何者にか突き倒されて、気を失ったように倒れているというのである。母子はすぐに巾着切りの復讐を思い出した。巾着切りなどが仕事をする場合に、他人が被害者に注意をあたえると、仕事の邪魔をしたというので何かの意趣返しをすることがしばしばある。かの娘も自分たちに注意をあたえてくれた為に、巾着切りの恨みを買ったのであろう。そう思うと、人々は気が気でなかった。宇吉を先に立てて、久兵衛はあわてて駈け出した。おきぬも女中のあとからつづいた。