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Japanische Klassiker mit Furigana

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はんしちとりものちょう

時代推理小説 半七捕物帳(四)

岡本 綺堂

Lesen Sie 時代推理小説 半七捕物帳(四) (はんしちとりものちょう) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 217.272 Zeichen · 434 Bildschirme

Aozora Bunko

自分の父はある旗本の屋敷に用人を勤めているあいだに、千両ほどの金を使い込んで、すでに切腹にも及ぶべきところを、その金を年賦にして三年間に返納するということで、まずは無事に長の暇となったのである。しかも今は浪人の身で、その大金の調達は容易に出来ない。現に自分の支度料として受け取った二百両も、半分以上はその方へ繰り廻したのであるが、それでも不足であることは判り切っている。さりとて嫁入り早々に、姑や夫にそれを打ち明けることも出来ない。就いてはわたしを助けると思って、土蔵に仕舞ってある金をぬすみ出してはくれまいか。万一それが露顕した暁には、わが身にかえても決してお前に難儀はかけまいと、彼女は泣いて口説いたのである。

奉公人として主人の金をぬすみ出すのは罪が深い。殊に十両以上の金であれば、死罪に処せられるのが定法である。それを承知しながら新次郎がやすやすと承知したのは、お節のことばに一種の謎が含まれていたからであろう。彼はもうなんの分別も無しに、手近の金箱から二百両と百八十両を二度ぬすみ出して、お節の指図通りに山谷の実家へとどけたのである。

お節がなぜ夫を殺したのか、それに就いてはなんにも知らない。