Japanische Klassiker mit Furigana
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はんしちとりものちょう
時代推理小説 半七捕物帳(四)
岡本 綺堂
Lesen Sie 時代推理小説 半七捕物帳(四) (はんしちとりものちょう) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 217.272 Zeichen · 434 Bildschirme
三十六人のうちで、その惨苦を繰り返したものは二十五人で、余の十一人は不思議に助かった。それは比較的に容貌のよくない者と、二十歳を越えている者とであった。染之助も容貌の好くないのが意外の仕合わせとなって、一度も花鳥の凌辱を蒙らなかったが、他人が惨苦を目前に見せ付けられて、夜も昼も恐れおののいていた。
「お慈悲に早く出牢が出来たので助かりましたが、あれが長くつづいたら、人身御供にあがった二十五人の人たちは、みんな責め殺されてしまったかも知れません。鰻めし一杯ぐらい食べさせてくれたって、あんなひどい目に逢わされてたまるものですか」と、染之助はくやし涙にむせびながら云った。
鰻めし一杯ぐらいというが、その鰻めしが詮議物であると吉五郎は思った。彼は押し返して訊いた。
「そうすると、花鳥の夜伽をした者には、そのあしたきっと鰻めしを食わせてくれるのだね」
「御牢内で鰻めしなんか食べるには、たいそうお金がかかるのだそうですが、毎日きっと誰かに食べさせてくれました」
「むむ、まったくたいそうな金持だな。それで若い女の子をおもちゃにしていりゃあ、娑婆にいるよりも楽だろう」