Japanische Klassiker mit Furigana
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はんしちとりものちょう
時代推理小説 半七捕物帳(四)
岡本 綺堂
Lesen Sie 時代推理小説 半七捕物帳(四) (はんしちとりものちょう) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 217.272 Zeichen · 434 Bildschirme
元来た道を四谷へ引っ返して、大木戸ぎわの丸多の店へ立ち寄ると、主人多左衛門のゆくえは未だ知れないと番頭らは嘆いていた。
幸八を表へ呼び出して、半七はきょうの結果をささやいた。
「まあ、そういうわけだから、絵馬の一件は心配するほどの事はありません。だまされた人間もよくねえが、欺した奴はなお悪いという事になる。そこで、お城坊主の伜というのは、その後に尋ねて来ませんかえ」
「おとといの晩、怒って帰ったきりで、きのうも今日も見えません」
「又来て嚇し文句をならべても、肝腎の絵馬は無事なのだから、別に恐れることはありません。まあいい加減にあしらって置くがようござんすよ」
「ありがとうございます」と、幸八はやや安心したように云った。
大木戸から更に塩町へ引っ返して、大津屋の店さきへ来かかった頃には、三月末の長い日ももう暮れかかっていた。うす暗い店には商売物の絵馬が大小取りまぜてたくさんに懸けてあって、若い職人ひとりと小僧二人が何かの仕事をしているらしかった。半七はその店へはいって、要りもしない絵馬を一枚買った。
「親方は内かえ」
「きょうは昼間から出ました」と、職人は答えた。