Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

はんしちとりものちょう

時代推理小説 半七捕物帳(四)

岡本 綺堂

Lesen Sie 時代推理小説 半七捕物帳(四) (はんしちとりものちょう) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 217.272 Zeichen · 434 Bildschirme

Aozora Bunko

今夜は親類に知らせただけで、夜が明けてから世間へ披露するとの事であったが、それでも旧い店だけに、出入りの者などが早くも詰めかけて、広い家内は混雑していた。

「御検視の済んだものを、わたくし共がいじくるのもいかがですが……」と、半七は親類や番頭にことわって、座敷に横たえてある多左衛門の死に顔の覆いを取りのけた。片手に蝋燭をかざしながら、まずその死に顔を覗いて、次にその咽喉のあたりを検めた。更にその手の指を一々に検めた。

それが済んで、半七は縁側の手水鉢で手を洗っていると、幸八が付いて来てささやくように訊いた。

「別に御不審はございませんか」

「少し御相談がありますから、大番頭さんを呼んでください」

与兵衛と幸八を別間へ呼び込んで、半七は自分の意見を述べた。自分はこれまで縊死者の検視にもしばしば立ち会っているが、わが手で縊れて死んだ者があんなに苦悶の表情を留めている例がない。咽喉のあたりに微かに掻き傷の痕がある。左の中指と右の人さし指の爪が少し欠けけている。それらを綜合して考えると、主人は他人に絞められて、その絞め縄を取りのけようとして藻掻きながら死んだのである。