Japanische Klassiker mit Furigana
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はんしちとりものちょう
時代推理小説 半七捕物帳(四)
岡本 綺堂
Lesen Sie 時代推理小説 半七捕物帳(四) (はんしちとりものちょう) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 217.272 Zeichen · 434 Bildschirme
それから五日の後である。この頃は朝夕が肌寒くなって、きょうも秋時雨と云いそうな薄陰りの日の八ツ半(午後三時)頃に、ふたりの男が富士裏の田圃路をさまよっていた。半七とその子分の亀吉である。
「ねえ、親分。わっしにゃあまだ判らねえ。後生だから焦らさずに教せえておくんなせえ。その変な声というのがどうして聞えるのか、いくら考えても見当が付かねえ」と、亀吉はあるきながら云った。
「神田から駒込まで登って来るあいだに、まだ考え付かねえのか」と、半七は笑った。「おれにゃあちゃんと判っている。それはズウフラだ」
「ズウフラ……。ああ、判った、判った」と、亀吉も笑い出した。「和蘭渡りで遠くの人を呼ぶ道具……。吹矢の筒のようなもの……。成程それに違げえねえ。わっしも一度見たことがある」
「おれも或る屋敷でたった一度見せて貰っただけだが、今度の一件を聞いてすぐにそれだろうと鑑定した。だが、判らねえのは、なぜ其のズウフラで往来の人間を嚇かすのか。唯のいたずらか、それとも何か仔細があるのか。なにしろ、そのズウフラから剣術の師匠が殺されたというのだから、ひと詮議しなけりゃあならねえ。