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Japanische Klassiker mit Furigana

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はんしちとりものちょう

時代推理小説 半七捕物帳(四)

岡本 綺堂

Lesen Sie 時代推理小説 半七捕物帳(四) (はんしちとりものちょう) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 217.272 Zeichen · 434 Bildschirme

Aozora Bunko

おい、松。もう一度あすこを見ろよ」

きせるの先で指さす品川の沖には、先月からイギリスとアメリカの黒船が一艘ずつ碇泊しているのが、大きい鯨のように見えた。巻煙草のぬしがその船の乗組員であることを、松吉はすぐに覚った。

「成程、こりゃあ親分の云う通りだ。そうすると、異人の奴らがあがって来て、悪戯をするのかね」

「そうかも知れねえ」

「だれが云い出したのか知らねえが、品川の黒船から狐を放したのだという噂も、こうなると嘘でもねえ」と、松吉は海をながめながら云った。「異人め、悪いたずらをしやがる。だが、まったく異人の仕業だと、むやみに手を着けるわけにも行かねえので、ちっと面倒ですね」

「いくら異人でも、そんな悪戯を根よくやっている筈がねえ。これには何か訳があるだろう」

巻煙草の吸い殻を手のひらに乗せて、半七は又しばらく考えていた。

三

半七と松吉は鈴ヶ森を一旦引き揚げて、浜川の丸子へ戻って来ると、店では待ち受けていてすぐに二階座敷へ通された。前から頼んであったので、酒肴の膳も運び出された。

「なあ、松。ここの家できいても判るめえが、小伊勢の巳之という伜が睨みの松の下でお糸という女に逢った時に、その女はどんな装をしていたのかな。