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Japanische Klassiker mit Furigana

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とけいとまどのはなし

時計と窓の話

小川 未明

Lesen Sie 時計と窓の話 (とけいとまどのはなし) von 小川 未明 (おがわみめい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N3. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N3 · Mittel · moderne Kanji und Kana · 4.803 Zeichen · 10 Bildschirme

Aozora Bunko

「おとうさん、あのおき時計をもらっても、いいでしょう。」と、私は、たのみました。

なぜか、父は、すぐにやるといわなかったのです。それを無理にたのんで、私は時計を自分のへやへ持ってきました。その当座のこと、母は、そうじをしに、私のへやへはいってこられると、おき時計をごらんになって、

「これは、いい時計ですから、だいじになさい。」と、いわれたのでした。さも、子どもが持つような品でないといわれるようでした。

「なにしろ、正ちゃんの生まれる前から、家にあるのだし、おとうさんが、だいじにしていられたのですからね。それに、この時計を見ると、平和な感じがするでしょう。」と、おかあさんは、いわれました。

「ぼくも、そう思うんです。しかし、時間は、正確なんですか。」と、私は、いいました。

いつか、山本くんが遊びにきて、ラジオを聞きながら、この時計を見あげて、

「おや、この時計は、おくれているのだね。」と、いったことがあるからです。

「それは、正確でしょうよ。おとうさんが、外国製のいい時計だと、いつもほめていらしたのですから。」

母は戦時中、この時計を疎開先へ持っていって、こちらへ帰ると、時計屋へみがきに出したこと、そして、それがなかなか手間どるので、父が再三さいそくにいったことなど、思い出しました。